ボビンは、糸の張り具合を保つ役割があります。太い糸は重くなるので、重い糸を張るためにボビンも重い方が使いやすいです。
同じ重さのボビンでも、さまざまな形をしています。ボビンレースを始めたばかりの間は、9 mm, 11mm, 13mm のタイプが良く使われています。後は、お好みに応じて、いろいろな形のものを試してみるのもきっと楽しいことでしょう。
英国東中部タイプのボビンは、ヨーロッパ大陸のボビンとは大きく異なっています。スパングルで重さを調節して用いますが、大陸のものは、ボビンをそのまま用います。
( 写真の、まっすぐな木の棒が英国東中部タイプボビンで、それに付いている、ビーズが、スパングルです。)
ボビンの素材は、ヤニ( 樹脂 )が出にくいことなどから、家具に使われている木材が用いられています。黒檀、紫檀などは、少し重くなりますが、硬い木なので軽やかな音をかなでます。
ボビンは、自然素材なので、程度は様々ですが色むらがありますし、枝別れした部分に付く節の模様が出ることもあります。
節の模様は、芯に近い部分だけを用いれば消すことができます。例えば、家屋建築に用いるひのき材にも特等であれば、節の模様が出ないと思います。しかし、これは、特殊な育て方をした木という訳ではなく、単に表面を削って、節の影響を消しただけです。木というものは、枝があるのが通常で、表面を過度に削ることで、その影響を消したに過ぎません。
この場合、芯に近い部分しか使えませんので、どうしても極端に割高になります。
芯の部分だけを使うという指定をすれば、節のないボビンも入手できなくは無いですが、価格面の問題と、さらに、周辺部分を削って捨てているという製法の問題から、あまりお勧めしていません。
黒檀などの高級材は、伐採が進んだことにより、以前に比べれば、細い木が使用されることが多くなってきていて、芯周辺の部分が沢山取れない為に、節の模様が増えてきているとの指摘もありますが、節がある無いというのは、そういう経緯で起こっていることです。むしろ、黒檀材などは外観だけでなく、軽さ・硬さとその音色もお楽しみいただければ幸いです。
ボビンは、ヤニ落ちが少ない樹種を選び、数年間の自然乾燥を経て作られていますが、全く落ちないわけではありません。レース糸への色移りが気になる場合は、ボビンに使わない糸を巻いておくか、最後まで使わなくて済むように多めに巻いておくかします。
ボビンの必要本数は、織る図案に応じて決まります。多いものだと、100 ペアを超える図案もあります。
最初は、数ペア分( 2 本で 1 ペア)あれば足りるでしょうが、大きな作品になるにつれ、ペア数が増えてゆきます。
図案の難易度が進むのに応じて、気に入ったボビンを少しずつ買い足してゆくのも楽しいものです。
価格は、1 本 100 – 600 円ほどです。素材や加工の度合いにより、価格は変わります。
そんなに数多く必要なものでもないので、上質なものをお勧めしています。
【レースボビンの項終わり】
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